別れは始まり

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先日、ずっと寄り添ってくれていた愛犬が旅立った。

ゴールデンレトリバー。13歳7ヶ月の長旅だった。

ゴールデンレトリバーの平均寿命は10歳前後。

13歳7か月は、人で言うと108歳程度だそう・・・。

家族5人、死の場面には全員揃うことはできなかった。

でも、その日の夜には珍しく全員集合できた。

全員、涙を流した。

僕が足を怪我して、最後の大会に出られず、悲しみに暮れている時、父が飼ってくれた犬だった。

兄は大の犬嫌いだった。

飼う時泣いて抵抗した。

だが、今思うと、兄が一番可愛がっていたのではないかと思うくらい、大切にしていた。

兄と僕は先に家を出たため、弟と母が主にお世話をしてくれていた。

その弟が、動けなくなるほど泣いていた。

それほど大きな存在だった。

月に1〜2回しか帰ることがなくなって5年ほど。

去年くらいから、後ろ足が思うように動かないことがあった。

時々、食欲がなくなることもあった。

最近は食事が取れず、点滴のため通院していた。

血液検査も良くなかったが、そんな様子を見せないほど笑顔でいてくれた。

しかし、病院に行くたび、体重はどんどんと下がっていった。

そんなある日、突然調子がぐっと悪くなった。

痛みで苦しそうだったそうだ。

病院に連れて行くも、ターミナルだと告げられた。

せめて苦しくないように…デュロテップ(医療用麻薬)を貼ってもらって、心なしか穏やかになった。

しかし、自宅に帰って3時間後、愛犬は息を引き取った。

犬も、人も亡くなる時は同じような流れだ。

そろそろかなと思っていたが、やはり悲しい。

しかし、病院で、たくさんの薬に繋がれて、生かされているような状態でなくならなくて本当によかった。

自宅で最期を迎えられてよかった。

全員集まれる日を選んだのも、連日天気がひどいのに穏やかな日を選んだのも、特別な用事に被らないように旅立ったのも、きっと色々考えてタイミングを選んだんだろうと思う。

本当にたくさんのものをもらった。

一生忘れない13年7ヶ月の思い出をありがとう。

家で死を迎えること。

それは本当に素晴らしいこと。

そして、死は別れではなく始まり。

前を向いて、歩いて行こう。

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